【改善事例】肩甲骨内側のしつこい痛み
今回は、肩甲骨内側の痛みについて、改善事例をご紹介します。
【タイプ別】肩甲骨周辺の痛み
肩甲骨周辺の痛みやハリを訴えて来院される方は多いですが、
よくある症状としては、以下のようなものがあります。
- 頭の向き(上を向く/下を向く/後ろを振り返るなど)により肩甲骨周辺に痛みが出る
- 肩甲骨の内側(背骨寄り)がいつも張っている
- 背中全体が板のように硬く感じ辛い
- 息を吸うと肩甲骨の中(奥)の方が痛い
- 就寝中や起床時に特に痛む
- 腕を伸ばすなどの動きで痛みが出たり、つる
そして、私は肩甲骨周辺の痛みについて、
症状の出方により大きく3つのタイプに分けて考えています。
- 繰り返しの作業や、同じ姿勢が続いた時に症状が強くなるタイプ
- 特定の動きで痛みが発現するタイプ(敢えてその動きをしなければ無症状)
- 呼吸に関連して症状が発現する(強くなる)タイプ
筋膜の緊張を緩めることで、改善できる可能性が高いです。
1年前から肩甲骨内側の痛みが続くOさんの例
当院に来院いただいた30代前半の男性Oさん。
Oさんの症状をまとめると、
- 左の肩甲骨内側辺りに常時感じる痛みがある。
- 1年程前から発症し、最近になり段々と症状が強まり辛くなった
- PC作業を長時間続けている時、起床時に特に症状が強い
いつもの通り、
問診で伺った内容と、動作検査、触診を元に施術を行った結果…
2回で症状は改善しました!
2回目の来院時に、初回以降の経過を伺うと、施術を受ける前の半分近くまで症状は改善し、かなり楽になった感があるとのことでした。
初回の施術前にも上の画像のように上を向いたり、立位で身体を反らすと痛みが出ていましたが、それも前回に比べると減っているとのこと。
そこで、2回目はこの残る動作痛をしっかりと取り、終了となりました。
Oさんに行った施術の詳細
問診で伺ったお話のうち、今回ポイントになったことは、
- 中学時代に部活のバスケットボールで右手親指の骨にヒビ
- 3年前からデスクワーク(PC作業)を始めた
特にこの2点です。
当院では、筋膜上にでき、連鎖的に関連しあっている2箇所のしこりを同時に刺激することにより効果的に筋膜を緩める施術(筋膜反射リリース)を行っています。
Oさんの場合は、過去にヒビの入った右手の親指からつながる筋膜上に緊張があり、反対側の胸部や背部に連鎖的な硬さを作っていました。
主にアプローチしたのは下図の箇所です。
●と●はいずれも硬く、押すと痛みのある箇所で、
<右半身>の●と、<左半身>の●とが、
互いに引っ張り合いをしているような状態でした。
●と●の各点を結び合うように同時に刺激すると、双方が引っ張り合いを緩めるように上半身全体が緩み…
動作検査の結果もOKです!
当院に来院される前は、仕事中に症状が強く出ることから、
かなりストレスを感じておられたようです。
長引く痛みが改善され、喜んでいただくことができました。
筋膜を緩めることで<肩甲骨周辺の痛み>は改善可能です
ご紹介したOさんのケースでは、
中学生時代のケガが現在の症状に影響していると考えられます。そして、お仕事では長時間のPC作業でしっかり指を使うようでしたので、
その負担が引き金になった可能性もあります。
Oさんと同様に、肩甲骨周辺の痛みに過去の手、手首、肘などのトラブルが影響していることは少なくありませんが、
場合によっては、足だったり、頭部の硬さが大きく影響しているケースもあります。
類似の症状の方であっても、実際にお話をお伺いしお身体をお調べしないと原因は分かりませんし、それぞれに異なります。
肩甲骨の奥の方の痛みだったり、息を吸うと痛い、などの症状の場合は、
内臓の病気を疑って不安に感じられる方もおられますが、
多くの場合は筋膜を緩めることで改善できる可能性が高いです。
肩甲骨周辺の痛みでお悩みの方、ぜひ一度、筋・筋膜を調べてみてください。